PR

「5,800万円を支払うよう求めています」五島市広報が市民に伝えなかった求償協議の実態

令和8年7月22日から行わせていただいている街頭演説では、五島市が公金から支払った5,800万円の和解金と、元職員に対する求償について、市民の皆さまに説明しております。
この問題は、単に「五島市と元職員が和解金5800万円を支払うことを条件に裁判で和解した」というだけの問題で終わったわけではありません。

五島市は、市民の税金から5,800万円を支払う一方で、その5,800万円を元職員からどのように「全額」回収するのかについて、具体的な金額も支払方法も決めないまま、裁判上の和解を成立させていたのである。

まずは、街頭演説の動画をご覧ください。

動画説明文
令和8年7月22日街頭演説
「五島市が支払った5,800万円と元職員への求償の実態」

市長コラムでは「5,800万円を支払うよう求めています」

五島市の広報に掲載された市長コラムには、次のように記載されています。

現在、五島市は元職員に対し、この5,800万円を五島市に支払うよう求めています。

広報ごほう

画像説明
五島市広報の市長コラムには、元職員に対して5,800万円を五島市へ支払うよう求めていると記載されています。
この文章を読んだ市民の多くは、
「五島市は元職員に5,800万円全額の返還を求め、回収を進めている」
と理解するのではないでしょうか。

しかし、和解成立前の協議記録と実際の和解条項を確認すると、市長コラムだけでは分からない重要な事実が浮かび上がります。

五島市が説明した和解の理由

五島市は議会において、5,800万円で和解した理由を次のように説明しています。

第一審判決に基づいて五島市が支払う場合、市の試算では約8,000万円となる可能性があったものの、裁判所から示された解決金は5,800万円であり、約2,000万円以上減額されたことから、五島市側の主張が一定程度認められたと判断したという説明です。

画像説明
五島市は、第一審判決による試算額約8,000万円と比較して、5,800万円の解決金は大幅に減額されていることを和解理由として説明しました。

確かに、被害者側へ支払う金額だけを比較すれば、第一審判決に基づく試算より低い金額で解決したという説明には一定の理由があります。通常、損害賠償請求事件の場合、和解を受け入れるならば賠償金額は「値引かれる」のだ。逆に受け入れられないならば第1審同様の結論となります。

上記画像の(3)と(4)でわかるでしょう!
和解を受け入れなければ控訴審原告の五島市は負ける。金さえ払ってしまって早く終結させよう。という適当すぎる考えだったのだ。重要な経営戦略会議にて「求償額について」の協議はなかったのだ(令和7年9月29日)。
和解で裁判は終結できても・・・・・・。
ここで別の問題が生じます。
五島市が支払った5,800万円を、元職員から本当に回収できるのかという問題です。

和解条項で決まったこと、決まらなかったこと

五島市が議会に提出した議案第123号の和解条項(五島市が起案)では、次の内容が定められています。

第一に、五島市と元職員が連帯して、被害者側に5,800万円を支払う義務を認めること。
第二に、五島市が被害者側へ5,800万円を支払うこと。
第三に、五島市の支払いを条件として、元職員が五島市に対し、求償金として5,800万円の支払義務を負うことを確認すること。

しかし、その直後の条項には、次のように記載されています。

前号の求償金にかかる支払方法、支払金額については、後日、控訴人五島市及び控訴人元職員間で協議の上決する

つまり、和解条項上は5,800万円の求償債権を確認しながら、元職員が実際に支払う金額と支払方法については、何も決めずに後日の協議へ先送りしたのです。

議案123号「和解及び損害賠償の額の決定について」 (1)
議案123号「和解及び損害賠償の額の決定について」 (2)

画像説明 4和解条項の内容(3)と(4)に注目ください!
和解条項では元職員の5,800万円の求償義務を確認する一方、実際の支払金額と支払方法は後日協議するとされています。
返済期限、毎月の返済額、担保、保証人、滞納した場合の措置なども、この和解条項からは確認できなかった。

5,800万円という求償債権の「名目」は確認されましたが、実際にいくらを、いつまでに、どのように支払わせるのかは決まっていなかったのだ。

元職員側は「低額での支払い」を希望していた

さらに重要なのが、和解成立前の協議記録です。
そこには、元職員側の意向として、次のように記載されています。

本人は和解について後ろ向きな考えである。五島市が賠償金を支払うことに納得がいかないとの思いが強いようである。
とはいえ、求償について低額での支払を認めていただき、それを条項に書けるとなれば了承する可能性は高い。

これに対して五島市は、次のように回答しています。

現段階で額を定めるのは難しいと考えている。
条項では求償債権の確認をする程度に留め、後ほど協議をさせてもらえばと考えている。

元職員は和解案に納得せず

画像説明
元職員側は低額での支払いを希望し、五島市も和解条項では求償債権の確認にとどめ、具体的な金額は後日協議する考えを示していました。

この記録から確認できるのは、次の事実です。

元職員は、当初から和解に積極的ではなかったこと。
元職員側は、求償額を低額にすることを希望していたこと。

五島市は、その意向を把握した上で、実際の支払金額を決めず、求償債権の存在だけを和解条項で確認する方針を選択したことです。

したがって、五島市は、元職員から5,800万円全額を回収する具体的な合意も確実な見通しもない状態で、被害者側へ5,800万円を支払う和解を成立させたことになります。

市長コラムが伝えなかった重要な事実

市長コラムの、

この5,800万円を五島市に支払うよう求めています。

という文章は、5,800万円の求償債権が存在するという意味では、和解条項と一致します。
しかし、市長コラムには、次の事実が書かれていません。

元職員側が低額での支払いを希望していたこと。
五島市が和解前から、その意向を把握していたこと。
和解成立時には、実際の支払金額も支払方法も決まっていなかったこと。
和解条項においても、支払金額と支払方法を後日の協議に委ねたことです。

これらの事情を記載せずに、「5,800万円を支払うよう求めています」とだけ発信すれば、市民に対して、五島市が5,800万円全額の回収を具体的に進めているとの印象を与えます。
私は、この広報は、市民が判断するために必要な重要事実を欠いた、不十分で誤解を招く説明であると考えます

五島市に明らかにしてもらわなければならないこと

五島市には、少なくとも次の事項を市民へ明らかにする責任があります。

  1. 元職員に対し、5,800万円全額を正式に請求したのか
  2. 請求したのであれば、その日付と請求文書は存在するのか
  3. 元職員との返済契約は成立しているのか
  4. 実際の返済総額、毎月の返済額及び完済期限はいくらか
  5. 現在までに回収した金額はいくらか
  6. 担保、保証人又は財産保全措置を講じたのか
  7. 求償額を減額する場合、誰が、どのような根拠と手続で決定するのか
  8. 市議会は、元職員側が低額での支払いを希望していた事実を把握した上で和解議案を議決したのか

単に「協議中です」という説明だけで済ませることのできる金額ではありません。

問題は、5,800万円という数字だけではない

今回の問題は、和解そのものの是非だけではありません。

市民の税金から5,800万円を支出する時点で、元職員からの回収について、どのような調査を行い、どのような返済条件を確保し、どのような財産保全措置を講じたのか。

そして、和解前から把握していた元職員側の意向を、なぜ市民や市議会に十分説明しなかったのか。
ここが問われています。
市長コラムには、

一度失った信頼を取り戻すことは容易ではありません。

と書かれています。
その言葉どおり信頼を取り戻すためには、市に都合のよい部分だけを発信するのではなく、求償協議の経過、返済条件、回収実績を含め、すべての事実を市民に明らかにする必要があります。

丸田たかあき
丸田たかあき

5,800万円は、市長や市職員個人のお金ではありません。
市民の税金です。

私は今後も情報公開請求を続け、開示された資料を基に、五島市が元職員に対する求償債権を適正に管理し、本当に回収しようとしているのかを検証していきます。
市民の皆さまにも、ぜひ街頭演説の動画と各資料をご覧いただき、五島市の説明が十分なものであったのかを考えていただきたいと願います。

タイトルとURLをコピーしました