
一台、約3500万ともいわれる税金で購入される高規格救急自動車を7台配置しながら、地域によっては高規格の意味をなさない実情(普通救急車との差額の意味をなさない)。
居住区域による救急行政サービスの地域格差の実情の調査結果(続編)を公表します。
1.前回のおさらい
これまでの調査でわかった事実
①五島市消防本部が配備している車両は、高規格救急自動車であるにもかかわらず、常時、救急救命士1人以上を含んだ救急隊編成がなされていないという事実(※努力義務)。車両そのものは高規格救急自動車だが救急救命士が乗車していない、救急標準隊員3人のみで救急搬送をしている日があり、それは日時によって違う。
②常時、救急救命士が乗車している特別救急隊は、本署と岐宿出張所の2ヶ所だけ→不公平と思いませんか?(※努力義務)。
③ 日時によって救急救命士が1人も乗車しておらず(救急救命士0人)、救急標準隊員のみで救急行政サービスを提供されている地域は、富江出張所、三井楽出張所、奈留出張所、玉之浦出張所の管轄区域にお住まいの住民である。→地域によってサービスに差がある(※努力義務)。
④居住地域によって五島市行政から公平・平等に受けるべき救急行政サービスが、居住地域によりサービスの提供に格差がある。→地域格差に納得できますか?(※努力義務)。
以上が、前回までの調査によってわかった事実である。疑問も含めて調査し五島市消防本部の救急隊の実情が徐々にではあるが、明らかなってきた手ごたえを感じている私である。
その後の調査結果で明らかになった事実を全て記していくこととしょう!
2.救急救命士1名の資格取得費用と毎年の資格取得者数は?
救急救命士を1名増員するのに、五島市が住民が納めた税金からいくら支出されているのか、五島市消防本部は救急救命士の有資格者をどのようにして増員しているのか。
救急救命士の養成課程がある大学や専門学校に入学し、救急救命士養成課程を修了し、国家試験に合格する方法もあるが、五島市消防本部に勤務する公務員の身分の者らである。どのようにして救急救命士の国家資格取得が可能なのか、調査をしてみた結果、次のことが判明した。
①救急救命士資格取得費用は、約260万円。
②毎年1名の救急標準隊員に救急救命士の資格を取得させるため北九州市にある「九州救急救命研修所」に約6ヶ月以上の研修に派遣し、国家試験合格後に救急救命士となる。
高いのか?安いのか?住民それぞれで印象は違うでしょうが、税金からの支出であることに変わりはばい。
五島市は約260万円の公金を使途し、救急救命士1名を誕生させている訳だ。
調査過程でわかったことだが、救急救命士になる前提条件として、救急標準隊員として5年以上、または2,000時間以上の救急業務経験を積むことが必須のようである。救急救命士の国家試験は、年に1回実施され、救急救命士法は平成3年から制定されている。
これだけの住民から集めた税金を公金として約260万円の費用を使途し、6ヶ月以上の研修期間を経て育成された救急救命士である。五島市消防本部は、1台、約3500万ともいわれる税金で購入された救急救命士専用設計の高規格救急自動車を7台配置しながら、地域によっては高規格の意味をなさない、救急救命士有資格者を有効活用していない実情によって格差がある五島市救急行政。
公務のために公金で取得した資格なのだから、自らの職を辞す(離職)するまでは、如何なる理由があろうと有資格者として任務遂行する義務があるのでないのか。
可能な限り住民へ還元しなければならない。以前、私へ情報提供として届いた「求められている資格は運用しない」の手紙を再投稿します。
住民の皆様、知ってください!


丸田 敬章 さま
お問い合わせいただいた令和7年度救命士養成に係る予算のことについて、
下記のとおり回答いたします。
・旅費 旅費
救急救命士新規養成研修課程 北九州市194日 380,620円
・役務費 手数料
救急救命士登録健康診断料 3,500円
救急救命士登録手数料 6,800+振込手数料203円 7,003円
救急救命士国家試験手数料 30,300+振込手数料203円 30,503円
救急救命士登録免許税 9,000円
・委託料 予防接種委託料
救急救命士新規養成に伴う予防接種 73,326円
・負担金、補助及び交付金 消防学校入校負担金
救急救命士新規養成研修 北九州市194日 2,106,000円
合計 2,609,952円
以上ご確認ください。
五島市消防本部 総務課
3.五島市消防年報による救急件数
五島市公式サイト「まるごとう」には、消防年報が公開されております。五島市から救急行政サービスの提供ついて格差を受けている地域は、富江出張所、三井楽出張所、奈留出張所、玉之浦出張所。
公開されている消防年報と、常時、救急救命士が乗車している特別救急隊の本署、岐宿出張所の救急件数を調べてみた!何がしたいのか!
救急車を要請する住民からの需要と、救急隊からの救急行政サービス供給のバランスを調べるのためです。
令和6年消防年報 五島市公式サイト「まるごとう」より。
48ページ署所別救急活動状況(令和5年1月1日〜令和5年12月31日)。
本署、それぞれの出張所の出場件数を知ることができる。これは当然に正確な統計である。
では、見てみよう。
令和5年1月1日〜令和5年12月31日の1年間の出場件数を、救急車の要請が多い順に並べてみる!全件1,961件中の内訳。
本署1,160件>富江272件>奈留165件>岐宿164件>三井楽138件>玉之浦62件。
まあまあ、想像どおり本署は2台高規格救急自動車が配備されているのだから最も出場件数が多いのは当然である。
では、常時、救急救命士が乗車している特別救急隊の岐宿出張所はどうだろうか?
岐宿出張所より富江出張所が100件近く多い実情がある。
富江出張所の救急件数は、岐宿出張所よりも断然に多い実情が判明。一般的な見解として富江町は人口も多い、つまり、救急需要が多いのは誰でも察する。その証拠に中核医療機関指定の富江病院がある訳だからと考えるのが普通だろう。
では、何故、本署の次に救急需要が多い富江出張所の救急隊が、常時、救急救命士が乗車している特別救急隊ではなく、岐宿出張所の救急隊なのか。
結論、救急行政サービス提供について需要と供給のアンバランスである。特別救急隊として取り扱う出張所について、妥当性、整合性、適合性、有効性、効率性、計画性がまるで見えてこない。
ここにも格差があるのは事実としてご理解頂けることでしょう。しっかりと統計上で公式発表されているのだから反論の余地はない。
公金で取得した救急救命士の資格は、いわば、私ら住民にとっては「救急救命士は財産」なのである。限られた財産を最大限に有効活用しなければ意義はない。
地方自治体は、最小の経費(財源)で最大の効果を上げるための行政改革の展開を常に図っているはずなのですが・・・・。
4.特別救急隊が岐宿出張所である理由を消防年報から「堀」下げてみる
消防年報には、五島市消防本部の沿革の概要が書かれている。つまりは歴史。この沿革の概要から救急救命士専用設計の高規格救急自動車が、いつから運用されたのか、いつどこの出張所に配備されたのか知ることができる。高規格救急自動車の導入を調べみる。
令和6年消防年報 五島市公式サイト「まるごとう」より。
6ページ以降。
記載されている内容のうち高規格救急自動車の導入開始から、それぞれの出張所に配備されるまでの歴史に的をしぼり抜粋してみる。
平成 9年 11月
・ 高規格救急自動車(トヨタGB-VCH38S)1台購入、福江消防署配置
平成10年 2月
・ 高規格救急自動車運用開始
平成14年11月
・ 高規格救急自動車1台購入、岐宿出張所
平成20年 2月
・ 高規格救急自動車 日本損害保険協会から受贈 奈留出張所配置
平成23年 1月
・ 高規格救急自動車1台購入、 三井楽出張所配置
平成23年11月
・ 高規格救急自動車 ごとう農業協同組合から助成を受けて1台購入 玉之浦出張所配置
・ 高規格救急自動車 日本自動車工業会から受贈 富江出張所配置

整理すると、高規格救急自動車が五島市消防本部に配備されたの順は、本署(福江消防署)→岐宿出張所→奈留出張所→三井楽→玉之浦、奈留出張所の順であった。
高規格救急自動車の導入当初は、救急救命士の有資格者も少なかった組織の状況は沿革の概要から読み解くことができる。
推測の上で私なりに考える。何故、常時、救急救命士が乗車している特別救急隊が岐宿出張所なのか。
「それぞれの出張所がある中で、岐宿出張所が真っ先に高規格救急自動車が配備、導入されたから」という理由が浮かんでしまうのは私だけでしょうか。
当時は、救急救命士の有資格者が少数であったのは、救急救命士法の制定の時期(平成3年)と沿革の概要を見れば、お察しできます。
しかし、沿革概要を見る限り、時代経過とともに救急救命士数は確実に増加をしている概要の記載。「時代適合性」「情勢適応」、現況に見合った特別救急隊の指定がされているとは消防年報からは思えない結論になる。
住民の皆様で納得できる方はいるのか。
5.今後の調査予定
疑問だらけである。やはり、
①岐宿出張所だけが特別救急隊である理由。
②救急救命士の配置状況
③救急救命士の有資格者数
(※消防年報で公表されている消防職員免許取得状況ではなく、リアルタイムの数)
④特別救急隊の勤務体系(岐宿出張所)と非特別救急隊の勤務体系(他の出張所)
を調査、追求しなければ、居住区域による救急行政サービスの地域格差の不利益を解消する最善策は何なのか見えてこないのか。
開示請求にて知る必要があると考える私である。現況を知る必要があり、住民へ知ってもらう必要があるのだから。

高規格救急車両購入への承認をなさられる市議会の先生方、
すばらしい車両購入に賛同なさるのは『誰だって』できます。
ならば、先週と今回【サービス格差】を厳しく発信してきている内容に違和感抱きませんか?
車両購入議案へ賛成することには知識・頭脳・現状把握は無くても出来る。
仮に救急要請に費用がかかるとしましょう。
利用者はサービスの格差に対して、均一な利用報酬を支払うことに納得されるでしょうか!? 私が指摘しているのは地域によって格差が発生している、つまり利用者は同じ対価の住民サービスが提供されていないということ。


富江・三井楽・奈留・玉之浦にお住いのお偉い議員先生方、この現状解決に、丸田が動いて良いのですね(笑)