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「たった3回のオンラインで913万円」第三者委の調査に疑問や批判…市職員の不正事案巡り 長崎・五島 長崎新聞 2026/07/06 [12:00]
長崎県五島市職員だった元保健師が高齢者(故人)の預貯金計5010万円を不正に引き出した事案を巡り、市が再発防止のため設置した第三者委員会の調査手法や913万円の業務委託費に対し、疑問や批判の声が上がっている。委員は調査期間に一度も五島に足を運ばず、当時の関係者への直接の聞き取りもなかった。識者は「深掘りした調査が不足し、真因究明にほど遠い」と指摘する。
▼一度も来島せず 第三者委は事案の客観的調査と、市が策定する再発防止策への提言を目的に今年1月、設置。業務受託したコンサルタント会社が事務局を務め、大学教授、弁護士、公認会計士の委員3人は同社が選任した。 調査は市が提供した裁判資料などの確認、訪問業務に携わる職員らへのアンケート、回答を踏まえたオンライン聴取が中心。3月末、▽法令順守に関する職員への定期的な調査の実施▽公益通報制度の見直し-などの再発防止策を提言した報告書をまとめた。
この間、第三者委は3回、オンラインで会合を開き、現地入りはしなかった。職員らへのオンライン聴取は委員の指示の下、事務局が実施。元保健師本人や被害者遺族、当時の上司や同僚、退職者への聞き取りはなかった。報告書は管理体制について「適切に把握・管理できていなかったものと推察される」など推測表現にとどまる。
訪問担当職員への無記名アンケートでは「予兆があったが表に出さないよう釘(くぎ)を刺されていた」「当該職員が課内のお金を金庫から盗んだ事案もある」などの回答もあったが、追加調査は実施していない。
▼「3回で913万円」 県内の最近の事例を見ると、雲仙市がふるさと納税問題、南島原市がサテライトオフィス補助金問題を受け、それぞれ第三者委を設置。いずれも市が事務局を担い、委員が現地で市長らへ対面で聴取している。
雲仙市は弁護士3、公認会計士1の4人体制で、会合は計9回開催した。報酬は1時間1万円。担当者によると「決算前だが計200万円に満たないのではないか」とする。南島原市は弁護士2、公認会計士1の3人体制で、会合を計20回開き継続中。報酬は日当1万5千円で、旅費交通費を含め経費はこれまでに約95万円という。
五島市では、委託費を審議した昨年9月の市議会時から積算根拠を疑問視する声が出ていた。市は参考見積書を基に税込み913万円を計上し、内訳を「人件費・事務局運営費が約730万円、交通費・その他諸経費約100万円」と説明していた。
開会中の今定例会一般質問でもこの問題は取り上げられた。「目を引く調査項目は見当たらない。市民へのお墨付きがほしかっただけではないか」(荒尾正登議員)、「たった3回のオンラインで913万円。割に合わない」(中西大輔議員)とただしたが、出口太市長は「調査してよかった。妥当性はある」と強調した。第三者委も取材に「アンケートやヒアリングなどを実施し、客観的な調査および当該調査に基づく再発防止策の策定に向けた提言をした」などと文書で回答、正当性を主張した。
こうした対応に識者も首をかしげる。企業や組織の不祥事を巡る第三者委の調査報告書を評価・公表する民間機関「第三者委員会報告書格付け委員会」委員で、八田進二青山学院大名誉教授は「直接的な当事者への対面聴取がなく、伝聞証拠が中心で、真因究明に必要な証拠収集が主体的に行われていない。第三者委員会としての適格性と信頼性に疑問が残る」と指摘する。

そして、今回の一般質問では、第三者委員会の調査手法や913万円という委託費について疑問が呈されました。
確かに、市民感覚から見ても、
- 「オンライン会議3回で913万円なのか」
- 「現地調査は必要ではなかったのか」
- 「直接当事者への聞き取りは十分だったのか」
といった疑問を持つ方は少なくないでしょう。
しかし、議会の役割は「問題点を指摘すること」で終わるものではありません。

今回の新聞報道を受け、私のもとにも市民の方から何件か問い合わせがありました。
その多くは、
「913万円という委託費は高すぎるのではないか。」
というものでした。
私はそのような質問に対して、
「金額だけを見て高い、安いとは判断できません。」
とお答えしています。
例えば、同じフルーツのマンゴーでも見た目はほとんど変わらなくても価格は数倍違うことがあります。
その価格差には、
- 品種
- 糖度
- 品質
- 生産方法
- 希少性
など、それぞれ価格が設定される理由があります。
つまり、大切なのは価格そのものではなく、その価格に至った根拠です。
今回の913万円も同じです。
私は「913万円だから高い」と言いたいのではありません。
知りたいのは、
- なぜ913万円だったのか。
- なぜその事業者だったのか。
- なぜ他社との比較検討を行わなかったのか。
- なぜ「他に委託可能な者はいない」と判断できたのか。
という、公金支出に至る意思決定の過程です。
だからこそ、現在情報公開請求を行い、事実関係を一つ一つ確認しています。
私が議員時代に心掛けていたのは、
指摘したのであれば、その改善策まで提案し、行政に実行を求めること
でした。
今回の件であれば、例えば次のような制度づくりについて議論されてもよいのではないでしょうか。
- 第三者委員会を設置する際の基準を明文化すること
- 委託先選定の比較検討を義務付けること
- 契約金額の積算根拠を議会へ明示すること
- 一定額以上の委託については、事後評価を行うこと
- 報告書だけでなく、調査手法や業務実績についても検証すること
市長は議会で「案件ごとに検討する」と答弁しています。
しかし、今後も同様の事案が起こり得ることを考えれば、「案件ごと」ではなく、一定のルールを設けることが再発防止につながるのではないでしょうか。
今回の913万円という支出が適正であったかどうかは、今後の情報公開や監査などを通じて検証されるべき課題です。
一方で、市議会にも期待したいことがあります。
それは、「高い」「安い」という議論だけで終わらせず、「次からはどういう制度にすれば、市民に説明できる行政運営になるのか」
という議論を深めることです。
私は、そのような議論こそが、市民にとって最も価値のある議会の役割だと考えています。
議会に期待したいこと
今回の一般質問では、複数の議員から913万円という委託費や調査方法について厳しい指摘がありました。
その指摘自体は、市民の疑問を代弁するものとして大切です。
しかし、私はさらにその先を期待しています。
例えば、
- 第三者委員会を設置する場合の基準を条例や要綱で定めるべきではないか。
- 一定額以上の委託契約については、複数事業者との比較検討を原則とすべきではないか。
- 委託業務終了後には、業務内容や費用対効果を検証する仕組みを設けるべきではないか。
こうした制度面の議論まで進んでこそ、市民に対する説明責任が果たされると私は考えます。
私は元市議会議員として、質問をする以上は、その先の改善策まで提案し、行政や議会が実際に動くことを目標にしていました。
今回も同じです。
913万円という金額だけを議論するのではなく、
「今後、同様の事案が発生したとき、五島市はどのようなルールで第三者委員会を設置し、どのような手続で委託先を選定し、市民に説明していくのか。」
そこまで議論が進むことを期待しています。

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