「返せるかどうか」ではなく、「返せない前提でなぜ決めたのか」


そもそも論であるが、返済が滞った場合等の論議を行う以前の問題です。
求償について何の結論も取り決めも行われていない状況で、5800万円の解決金と和解案への承認をしたこと自体が大問題なのです。つまり大失策なのです。
結局、時間経過で納税者は忘れてしまうさ!に掛けた行政と議会であります。
元職員による卑劣な加害
事の始まりは、五島市の元職員が職務上の立場を悪用し、ある市民(裁判提起人)の実母のキャッシュカードから預貯金を不正に引き出した事件です。 これは単なる個人間のトラブルではなく、行政への信頼を根底から壊す不祥事です。そのため、市も「国家賠償法」に基づき連帯責任を負い、解決金として合計5,800万円を支払うことで和解が成立した。
議会で飛び出した「驚きの提案」
この和解案をめぐる議会での質疑。草野久幸議員と出口太市長の間で、次のようなやり取りがありました。
草野議員:「市民は、五島市が払うべきお金じゃないぞと、ほとんどが思ってると思います。ならば、私だったらという話をします。まず、協議がうまくいかんやったら裁判を起こしますよ、そして、相手に返済能力がなくて五島市が払わないといけないようになった場合、相手を告訴しますよ、告訴して刑事事件までやっていただきますよ。市長、いかがですか。」
出口市長:「仮に求償金が支払われなかった場合ですとか、支払いの途中で滞るような場合があったとする場合には、刑事事件として訴えることは現時点で難しいのかなと考えております。もちろん、この判断をするにはかなりの法律の知識が必要になると思います。顧問弁護士ともきちんと相談して対応していきたい」
これを聞いて、法律の基本を知る人は耳を疑ったはずです。かなりの法律の知識がなくてもわかります。
債務返済についての問題は民事です。相談された警察はこういいまず!民事不介入です。
法的エラー①:借金を返せないのは「犯罪」ではない
まず、今回の「求償権(市が立て替えたお金を元職員に請求する権利)」は、あくまで民事上の債権です。「お金を返せない(債務不履行)」ことは民事の問題であり、それだけで詐欺罪や横領罪などの刑事罰に問うことはできません。これが法治国家における「民事不介入」の原則です。 「払わなければ警察へ」という論法は、まるでドラマのセリフのようですが、現実の法体系ではあり得ない暴論です。
仮に元職員が「求償返済する気が全く無いうえで、五島市への返済について騙してその場をしのいだ」となれば詐欺罪で立証は可能でしょうがね!
法的エラー②:すでに「時効」という壁がある
さらに重要な事実があります。この不法行為の最終期日は平成25年(2013年)11月2日。 提訴された令和4年時点で、窃盗や詐欺などの公訴時効はとうに過ぎています。実際に、被害者側は警察から別件での捜査によって発覚した事実であり「時効なので刑事事件としては扱えない」と知ったはず。苦渋の決断として民事訴訟に至ったのでしょう。
被害者が刑事罰を諦めざるを得なかった背景を、被告である市が知らないはずがありません。それなのに議場では、「求償が滞ったら刑事告訴を検討する」などと、実現不可能な空論が交わされているのです。
「やってる感」という名の欺瞞(ぎまん)
市長は「弁護士と相談する」とお茶を濁しましたが、これは相談するまでもなく「不可能」な話です。
- 知っていて言っているなら、市民に「厳しく対応しているフリ」を見せるだけの不誠実なパフォーマンスです。
- 本当に知らずに言っているなら、公金を扱う責任者として、あまりにも法的知識が欠如しています。
問われるべきは「実効性」
市民が本当に聞きたいのは、「できもしない刑事告訴」という威勢のいい言葉ではありません。「もし元職員に返済能力がなかった場合、5,800万円もの税金をどうやって守り、回収するのか」という、冷徹で現実的な回収計画です。
法的なデタラメで本質をはぐらかす議会のあり方を、私たちは厳しく注視していく必要があるのです。
【申出書の提出について】
この議事録の内容は、法的に明白な誤りを含み、市民に大きな誤解を与えるものです。私は本日7日、議長に対し、この不適切な議論の訂正、あるいは議事録への補足を求める申出書を提出いたします。 法治主義を守り、正確な情報を記録に残すことは、議会の最低限の責務である。
五島市議会議長 殿
令和7年12月定例会議事録に係る法的正確性の確保及び見解明示に関する申入書
第1 申入れの根拠
令和7年12月定例会における議案第123号に関連する一般質問及び市長答弁について、議事録上の記載が法的理解に関し市民に誤解を生じさせるおそれがあることから、その記載の整理及び議会としての見解の明示を求めるものである。
なお、本議会最終日において、会議規則第43条に基づき議長に議事整理権が委任されていることを踏まえ、当該権限の適切な行使を求める趣旨を含むものである。
第2 問題となる発言の内容
当該議事録においては、求償権の履行がなされない場合の対応として、刑事告訴の可能性に言及する趣旨の発言及びこれに対する答弁が記録されている。
第3 法的整理
1 問題となる発言の構造
本件議事録におけるやり取りは、求償権の履行がなされない場合の対応として、まず民事訴訟の提起を行い、なお履行がなされない場合には刑事告訴を行う可能性に言及する構成となっている点に特徴がある。
2 求償権の法的性質
本件における求償権は、市が支払う和解金に関し、元職員に対して負担を求めるものであり、その法的性質は民事上の債権に該当する。
したがって、その履行がなされない場合の基本的な対応は、民事訴訟の提起及び強制執行等の民事手続によるべきものである。
3 債務不履行と刑事責任との関係
一般に、債務の履行がなされないという事実(債務不履行)それ自体は、直ちに刑事責任を構成するものではない。
刑事責任が成立するためには、別途、欺罔行為や不法領得の意思を伴う行為等、刑法上の構成要件に該当する具体的事実が必要である。
したがって、求償権の不履行という事情から直ちに刑事告訴に移行し得るかのような理解については、法的関係の整理を要する。
4 本件議事録記載との関係
以上の法的整理を踏まえると、当該議事録の記載は、前提となる法的関係の説明を欠いたまま刑事責任に言及する構成となっており、結果として法的理解に誤解を生じさせるおそれがあり、議事録が公文書として住民に提供されることに照らし、記載の明確性及び正確性の観点から整理を要する状態にあると考えられる。
第4 整理権との関係
本件は、発言内容そのものの当否を問題とするものではなく、記載の前提関係の不明確性及び法的関係の説明不足による誤解可能性といった「記載の整理」の問題として位置付けられるものである。
ところで、本議会においては、最終日に会議規則第43条に基づき、条項、字句、数字その他の整理を議長に委任する旨の決定がなされている。
このような整理権の委任は、単なる形式的補正にとどまらず、議事録が公文書として適切に理解されるための最低限の明確性を確保する趣旨を含むものと解される。
そうであるにもかかわらず、本件のように法的関係の理解に影響を及ぼし得る記載について前提関係の整理が十分になされていない場合には、当該整理が整理権の趣旨に照らして十分なものであったかについて、説明が求められる状況にある。
したがって、本件は、会議規則第43条に基づき議長に委任された整理権の対象として、適切な補正又は整理が検討されるべき事項に該当する。
第5 会議録署名議員による確認との関係
会議録は、会議録署名議員による署名を経て確定されるものであり、その趣旨は、当該記録が実際の審議内容を正確に反映したものであることを担保する点にあると解される。
この点に照らすと、会議録の記載が住民の理解に影響を及ぼし得るものである以上、その確認は単なる形式的な照合にとどまらず、少なくとも記載の明確性及び前提関係の把握可能性といった観点も含めて検討されるべき性質を有する。
本件のように、法的関係の異なる事項が前提説明を欠いたまま連続的に記載されている場合において、当該記載が会議録として適切な理解を確保するものとなっているかについては、会議録署名の趣旨との関係においても検討の余地があると考えられる。
第6 求める対応
- 当該記載について、法的関係の誤解を生じさせないような観点からの整理(必要に応じた補足又は注記の付加を含む)を行うこと
- 上記整理が困難な場合には、当該論点に関する議会としての法的見解を別途明示すること
- 整理権の行使の有無及びその内容について、対外的に説明すること
- 本申入れに対する対応状況及び見解について、提出日から概ね2週間程度を目安として、書面により回答されたい。
第7 結語
議事録は議会の審議内容を正確に伝達する公文書であり、その記載が住民の法的理解に影響を及ぼし得るものである以上、表現の明確性及び前提関係の適切な整理が求められる。 以上の通り、本件について、整理権の趣旨に沿った適切な対応を求める。
以上
令和8年5月7日
(提出者氏名)
政治資金管理団体
510けいしょう会
代 表 丸田 敬章

求む!長崎県五島市公務員・議員に対する「素行」情報提供
