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市行政問題

「違法ではない」だけで済むのか ― 行政OBと企業、そして“外形的公正性”の問題

島原市では、企業版ふるさと納税への多額寄付に対し、企業へ感謝状を贈呈したとの報道があった。

ディーソルHPI

その企業は、五島市でも事業展開を行っている企業であり、市広報誌印刷業務の受注のほか、各種事業への参入、さらには雇用機会拡充事業における採択実績も有している。

また同社には、過去に元副市長が役員として就任しているほか、今春には五島市の元産業振興部長が同社の事業部長として就職したとされる。

こんな話が舞い込んできた!
関係者の話では、この元部長が古巣である五島市の某課を訪問し、「五島市も感謝状を贈るべきではないか」との趣旨の働きかけを行ったとされている。
もっとも、現時点で五島市がその意見を受け入れ、実際に感謝状を授与することに決定された事実は確認していない。

しかし、この件で考えるべきは、「違法かどうか」ではない。
行政には、法令遵守だけでなく、「外形的公正性」が求められる。
つまり、市民から見て、「行政判断が特定の人的関係によって左右されていない」と信頼できる状態が保たれているか、という問題である。

たとえ形式的に適法であったとしても、幹部職員が退職後、市と関係の深い企業へ再就職し、その立場で古巣自治体に対し、自社への評価や顕彰を求めているように見える構図は、市民に様々な疑念を抱かせかねない。
特に地方自治体では、人間関係が近くなりやすい。
だからこそ、行政OBには、自らが持つ人的影響力について慎重な自制が求められるのではないか
五島市では過去にも、「地域振興」「雇用確保」などを理由として、公有財産の低額譲渡問題(10円)が議論となった経緯がある。

農業施設10円売却問題 五島市長は差額支払わず 6月議会で議決求める
長崎新聞 2020/06/04
五島市所有の農業施設を農業法人に10円で売却したのは違法だとして、市監査委員が野口市太郎市長に対し、適正価格との差額約168万円を市に支払うよう求めた勧告について、野口市長は差額を支払わないことを3日までに決めた。勧告ではこの場合、10円に減額し売却することについて市議会の議決を得るよう求めており、野口市長は10日開会予定の6月定例会に関連議案を提出する。
 問題の施設はハウスや作業棟など10施設からなる「玉之浦花き栽培施設」で、昨年4月、所有者の市が市内の農業法人に売却した。市側は耐用年数を過ぎているため1施設1円の計10円と評価していたが、監査委員が依頼した不動産鑑定士は、適正価格を計168万円と査定。監査委員は「10円は適正な対価と認められず、議会の議決も経ていないため違法な財産処分」と判断していた。
 野口市長は今回提出する議案で、昨年4月の施設売却額について、適正価格から167万9990円減額し10円とする可否を議会に諮る。減額理由を「安定的な営農の継続や雇用確保、農業振興を図るため」とするが、市場価値を適切に反映した不動産鑑定評価額168万円と、10円との乖離(かいり)は大きい。市民の財産をどう取り扱うのか、市議会の判断に注目が集まりそうだ。

地域振興政策そのものを否定するつもりはない。
しかし、公金、補助金、契約、顕彰、そして人的ネットワークが幾重にも重なって見える時、市民が「本当に公平なのか」と感じるのは自然なことである。

だからこそ必要なのは、“問題があると断定すること”ではなく、市民に疑念を抱かせない透明性である。

例えば、

・感謝状授与には明確な基準が存在するのか
・誰が推薦し、誰が判断するのか
・特定企業だけが特別扱いされていないか
・行政OBからの働きかけは記録されているのか

こうした点は、行政への信頼を守るためにも、丁寧に説明されるべきではないだろうか。
「違法ではない」と「市民から見て適切である」は、必ずしも同じではない。
行政に問われるのは、法的適法性だけではなく、市民から信頼される姿勢そのものである。

丸田たかあき
丸田たかあき

産業振興部長の〇〇さんよ、感謝状授与を五島市へ打診するのであれば、なぜ現職時代に働きかけなかったのか?
再就職雇用にて自身を採用してくれた企業への感謝として、元産業振興部長の肩書で五島市に感謝状授与させるようなことはするなよ。


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