
五島市元職員損害賠償訴訟と「解決金5800万円」について
――なぜ私たちは住民監査請求をしたのか――
監査請求が【受理】されましたら請求書原文を公開いたします。
1 まず、何が起きた事件なのか
•五島市の元職員(保健師)が、担当していた高齢男性の預貯金を不正に引き出したとして、窃盗罪で有罪判決を受けました(2021.4.27)。
•今年3月、神戸地裁尼崎支部は、市と元職員に対し約5071万円と遅延損害金の支払いを命じています。(2025.3.13)
2 五島市は今、どうしようとしているのか
•市は一審判決について一度は控訴し、「市の使用者責任はない」と主張していました。
•ところがその後、控訴審の途中で方針を転換し、「解決金5800万円を市のお金(公金)から支出して和解する」方向を示しました。
•このため、市は12月3日開会の市議会定例会に「議案第123号 和解及び損害賠償額の決定について」を提出しようとしています。
3 今回の住民監査請求で、何を求めたのか
私たち住民2人は、次の点を問題だと考え、住民監査請求を行いました。
1.元職員の「故意の不法行為」の解決金を、市の公金だけで肩代わりするのはおかしいのではないか
2.元職員に5800万円の求償義務を課すとしているのに、支払い方法を「後日協議」とするだけで、担保や公正証書などの「債権保全」が何も決まっていない
3.一審で使用者責任を否定して控訴しておきながら、市民への十分な説明もなく、突然「5800万円支出に方針転換」したことは、行政の整合性と誠実性を欠く
そこで私たちは、
「元職員への求償債権について、担保確保や公正証書の作成など、確実に回収できる措置が講じられるまでは、解決金5800万円の支出手続きを行わないようにすべきだ」
と監査委員に求めています。
4 誤解されたくないポイント
•被害に遭われたご本人・ご遺族が、正当な賠償を受けるべきだという点について、私たちは全く異論はありません。
•問題にしているのは、
👉「元職員の故意の犯罪に起因する損害」を
👉「具体的な回収見込みもないまま、市の公金でほぼ全額立て替える」かのようなスキームになっていないか、という点です。
•きちんとした債権保全を行えば、被害者への賠償と、市民の税金の保全は、両立させることができます。 その手順を飛ばそうとしているように見えるからこそ、監査を求めました。
5 法律的には、どこが問題なのか(かんたんに)
•地方自治法では、住民は
「違法または不当な公金の支出や契約などが行われることが相当の確実さで予測される場合」 にも、監査を求めることができると定められています(第242条1項)。
•今回の「解決金5800万円を支出する議案」は、議会で可決されれば、すぐに支出手続きに進む性格のものです。 つまり、まさに「相当の確実さをもって予測される将来の公金支出」に当たります。
•私たちはこの点を踏まえて、支出が行われる前の段階で、立ち止まって見直してほしいという趣旨で住民監査請求を行いました。
6 なぜ今、この説明を書いているのか
•2025年12月1日付で住民監査請求を提出し、同日付で長崎新聞にもこの件が報じられました。
•しかし、新聞記事だけでは、
👉「市民側は何を問題にしているのか」
👉「被害者への賠償をどう考えているのか」 が十分に伝わらないと感じています。
•そこで、このブログでは、
👉一人の市民として、
👉そして請求人の一人として、 できるだけ分かりやすく、事実と問題点を説明することを目的に、この「一枚紙」を公開しています。
7 これからの流れ
•今後、監査委員が
👉住民監査請求を「受理」するかどうか
👉実質的な監査を行うかどうか を判断します。
•監査結果が出るまでには時間がかかりますが、 その間も、
👉議会での審議の様子
👉市からの説明
👉監査の動きなどを、可能な範囲で情報を共有していきたいと考えています。

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