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2800円で免職の高知市、連続窃盗を「市長判断で不問」にした五島市。この差は何なのか?

市民の信頼を根底から揺るがす一枚の文書

公務員の不祥事がニュースになる際、私たちは「厳正な処分」を期待します。最近では高知市で、職場の同僚から2,800円を盗んだ42歳の職員が懲戒免職となる極めて厳しい処分が下されました。「経済的困窮」という理由があろうとも、公務員としての一線を越えたことへの当然の帰結と言えるでしょう。

しかし、我が五島市はどうでしょうか。

私の手元に、平成27年に五島市消防署長名で出された「貴重品(現金)の紛失事案について(通知)」という驚くべき内部文書があります。そこには、現代のコンプライアンス(法令順守)を真っ向から否定する、信じがたい「組織の論理」が記されていました。

貴重品(現金)の噴出事案について(通知)

窃盗犯を「警察に通報せず」と市長らが決定

この文書の中で最も看過できないのは、以下の記述です。

「今回の件については、副市長、市長にも報告され、その中の判断により今回までは警察への通報は見送るとのことでした。」

窃盗は、言うまでもなく刑法上の犯罪です。刑事訴訟法第239条第2項では、公務員には職務中に犯罪を発見した際の「告発義務」が課されています
それにもかかわらず、五島市のトップである市長や副市長が、あろうことか「警察に通報しない」という判断を下した。これは、犯罪を組織ぐるみで隠蔽したと言われても仕方のない、法治国家にあるまじき対応です。

高知市との決定的差:甘すぎる身内への規律

ここで、冒頭に触れた高知市の事例と比較してみましょう。

項目高知市の対応(2024年)五島市の対応(平成27年文書)
事案同僚からの2,800円窃盗1〜2ヶ月の間に数名が被害
警察対応厳正に対処市長・副市長判断で通報見送り
処分懲戒免職不明(通報すらしていない)
組織の姿勢法に則り厳正に処分「今回までは」という謎の猶予

高知市がわずかな金額でも「市民の信頼」を選んだのに対し、当時の五島市は「身内の不祥事を隠すこと」を選びました。連続して被害者が出ているにもかかわらず、犯人を特定して警察に突き出すことより、表沙汰にしないことを優先したのです。

被害者に我慢を強いる「逆転した論理」

文書の後半では、職員に対し「必要以上の現金を持ってくるな」「自己管理を徹底しろ」と命じています

犯人を野放しにしたまま、被害者に「盗まれる方が悪い」と言わんばかりの対策を強いる。これでは職場の不信感が募るのは当然です。人命を預かる消防という誇り高い現場で、このような「泥棒が守られる」ような体質が許されていいはずがありません。

過去の隠蔽を「今」の教訓に

この事案自体は時間が経過しており、刑事罰を問うことは難しいかもしれません。しかし、私がこの文書を今、周知したい理由は一つです。
「身内の犯罪を、政治判断で握りつぶす」という隠蔽体質が、今の五島市役所や消防本部に、形を変えて受け継がれてはいないか?

一度失われた組織の規律を取り戻すのは容易ではありません。当時の市長、副市長、署長らが下したこの「誤った判断」を、私たちは市民として忘れてはならないのです。不祥事を透明性を持って公表し、法に則って処理する。その当たり前のガバナンスが機能しているのか、私は監視し続ける。

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