【野口市太郎(市長)】控訴理由書が福岡高等裁判所に提出される

事件番号 令和3年(行コ)第34号
控訴人  510けいしょう会
被控訴人 野口市太郎(五島市長)

控 訴 理 由 書

 

令和3年8月31日

福岡高等裁判所 第1民事部 御中

 

長崎県五島市中央町7番地25
控訴人 510けいしょう会
代表者・代表 塚 本   茂

控 訴 理 由 書

 

控訴人は、頭書事件につき,第一審判決に対し次のとおり控訴理由を提出します。

第1 被控訴人市長野口市太郎(以下「被控訴人」と称す)に対する五島市の債権放棄について

1 本件の場合,本件施設が地方自治法第237条第2項の議決を経ず違法な財産の処分をした事実が存在し,その違法を理由に監査委員は「市長は,玉之浦花き栽培施設の譲渡額10円と不動産鑑定評価価格1,680,000円との差額に相当する額1,679,990円を五島市に支払うこと」と勧告した。

2 先ず,被控訴人は「市長の五島市へ支払」勧告に対し,地方自治法第96条第1項第10号(以下「法96条1項10号」と称す)の規定に基づいて,議会に「市長に対する請求権利の放棄」の議案を提出し議決をすべきであったが,法96条1項10号「権利を放棄する議決」の議案の提案もなく,且つ「権利を放棄する議決」第10号に係る審議をした事実もない。

  また,被控訴人は,「五島市が被控訴人に対する債権を放棄する議決」若しくは「被控訴人に免責を与える議決」等の意思表示をした事実もない。

3 被控訴人及び執行機関は,「市長の五島市へ支払」勧告に対し,地方自治法第237条(財産の管理及び処分)第2項を履行するため法第96条第1項6号「適正な対価なく譲渡する議決」により「議案48号」を議会に提案し,これを議会は審議のうえ議決したが,被控訴人の「債権放棄」に係る審議は一切なかった。

4 第一審の違法譲渡の承諾の判断

第一審は「本件売却を行うについて五島市議会の議決を経ていなかった瑕疵は本件議決によって治癒され,本件売却は法237条2項に違反するものではなくなった」と判断するが,被控訴人の支払の免責とは関係ない判示である。

5 被控訴人の債務免除の判断

 第一審の判示も,被控訴人に対する「市長の五島市へ支払」勧告について一切判断することもなく,ただ「五島市に財産損失があっても,本件売却は法237条2項に違反するものではなくなった」と判示し,更に,違法性がなくなったから,被控訴人の債務も免除され,五島市の債権も放棄されたと判示する。

  しかし,被控訴人は,監査委員の勧告「市長の五島市へ支払」に対する「権利放棄の意思表示」を行ってない。

  被控訴人の「権利放棄の意思表示」がないにもかかわらず,第一審の裁判所は一切審議することもなく,法96条1項6号の議決をもって,違法性がなくなったと被控訴人に対する恣意的な,且つ好意的判断し,若しくは忖度し,被控訴人の債務は免除されたと判断するもので司法の公平中立に反する判断である。

 

第2 最高裁判例(平成24年4月20日/平成21年(行ヒ)第235号)と被控訴人の意思表示の不存在

1 最高裁第2小法廷の平成24年4月20日の5件(神戸市事件4件と大東市事件1件)の判決と平成24年4月23日の1件(さくら市事件1件)についての「住民訴訟に係る損害賠償請求権を議会が権利放棄の議決が効力を生じるには長による執行行為としての放棄の意思表示を要すると判示した。

即ち,最高裁の統一見解として「権利放棄の議決が効力を生じるには,長による執行行為としての放棄の意思表示を要する」と判示する。

2 本件の場合,五島市及び被控訴人は,「議案48号」を提案したが,議案の提案説明及び審議の質疑等の説明においても,「五島市の市長野口市太郎に対する167万9990円の請求権の放棄」に係る法96条1項10号に規定する議案の提出もなく,且つ,「議案48号」の審議のなかでも、五島市及び被控訴人は,「五島市の権利放棄」の執行行為としての放棄の意思表示等は一切なかった。

  即ち,五島市議会も地方自治法第96条第1項第10号を適用する五島市の権利放棄の議決を行わず,被控訴人も「五島市の権利放棄」を求めることもなく,且つ「権利放棄」の意思表示を行った事実も一切ない。

3 五島市及び被控訴人は,議会に「議案48号」を提案し,且つ説明を行った。しかし,この「議案48号」は,地方自治法第96条第1項6号の議案提案担当部署及び被控訴人も同様の説明を行い,議会に被控訴人の支払勧告の免除「債権放棄」を申出ることは一切なく,且つ議会も被控訴人に対する債務放棄を議決した事実は一切なかった。

4 仮に被控訴人に対する権利放棄の議決があったと仮定しても,その議決は「権利放棄」の意思表示がなく効力を有しない。
  また,第一審は「長による執行行為としての放棄の意思表示の有無」について何ら審議すらしてない。
因って,被控訴人は,五島市に167万9990円の支払債務を負うべきである。

 

第3 五島市監査委員(以下「監査委員」と称す)の勧告の過失について

1 監査委員は,先ず,被控訴人に対し,「本件売買代金と不動産鑑定評価価格168万円との差額に相当する額167万9,990円を五島市に支払うこと」を勧告した。

即ち,被控訴人は,妥当価格の16万8000分の1と常識外れの想像を絶する超低価格で売却し,しかも手続の過失があり,且つ議会の議決を経ることなく売却して五島市に16万8000倍の価値比率の損害を与えた。妥当な価格が売却価格の数倍の範囲内であれば許容できるが16万8000倍とは驚異的,且つ異常な有り得ない比率である。

  事例として,168億円の商品を1億円で売却し,五島市に167億9990万円の損害を与えたことになる。

  因って,被控訴人は,その差額167億9990万円を五島市に支払うことを求めた。仮に商品が168億円の数値であれば,議会は真摯に審議したと推量し,且つ議決が得られるとは思えない。

2 監査委員は,次に被控訴人は,「前1項の措置を講じないときは,本件施設を減額譲渡したことについて,法第237条第2項の規定による議会の議決を経ること」と勧告した。

  法第237条第2項は,「財産の管理及び処分」の規定であり,「普通地方公共団体の財産は,条例又は議会の議決による場合でなければ,・・・,又は適正な対価なくしてこれを譲渡してはならない」との規定である。

  法第237条第2項の効力のためには,法第96条第1項第6号による議会の議決を要するとの規定であって,何ら「五島市が被控訴人に対する債権放棄」を規定するものではない。

3 監査委員の勧告は,次のとおりすべきであった。即ち,勧告(イ)項を勧告すべきであった。

1,勧告(ア)

  勧告(ア)は監査委員の勧告とおりである。
 「市長野口市太郎は,本件売買代金と不動産鑑定評価価格168万円との差額に相当する額167万9990円を五島市に支払うこと」

2,勧告(イ)を下記のとおり追加加入する。(控訴人が加入)
  市長野口市太郎は,前1項の措置を講じないときは,地方自治法第96条第1項第10号「・・・権利を放棄すること」の規定を適用し「五島市は,市長野口市太郎に対する167万9990円の請求債権を放棄する」ことを議会の議決を経ること。

3,勧告(ウ)(監査委員の勧告の(イ)項の修正)
  市長野口市太郎は,前1項又は2項の措置を講じた後に地方自治法第96条第1項第6号の規定による議会の議決を経ること。(売買の合法化)

4,勧告(エ)
(ア)項乃至(ウ)項の措置は,同年7月26日までに講じること。

 

第4 結論

1 被控訴人は,地方自治法第96条第1項10号に係る「権利放棄」の議案を議会に提出した事実はない。

2 被控訴人は,「五島市の被控訴人に対する権利放棄」又は「債権放棄」に関する意思表示は,議会での議案説明及び審議においても、如何なる機会でも一切その意思表示をした事実はない。

3 五島市議会は,議案の提案,議案説明及び審議でも「債権放棄」を議題として審議した事実はない。

4 第一審裁判所は「長による執行行為としての放棄の意思表示の有無」について何ら審議すらしてない。

5 第一審は「本件売却を行うについて五島市議会の議決を経ていなかった瑕疵は本件議決によって治癒され,本件売却は法237条2項に違反するものではなくなった」と判示した。

 因って,被控訴人の債務も免除され,五島市の債権も放棄されたと判示するが被控訴人が「債務放棄」又は「債務免除」に関する意思表示すらないのに第一審裁判所は何故「被控訴人の債務も免除され,五島市の債権も放棄された」と判示する。

6 上記のとおり、被控訴人は,公共の福祉に反する行為を是正し,市民との信義則を守り、且つ権利の濫用に該当する行為を慎み,法96条1項6号の議決を得ることが目的であったと思料する。

 被控訴人は,議決した後に損害金167万9990円を支払う意思があったと思いたい。

 

以上,控訴人は,本控訴理由書をもって控訴状の「請求の趣旨」の裁判を求め控訴に及んだ。

以上

挑戦者 丸田たかあきの
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